書誌事項
- タイトル別名
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- Relationship between Identification and Empathy
- ドウイツ シ トキョウカン トノ カンレンセイ
説明
同一視と共感に関する文献をレビューし,同一視と共感との関連性を検討した。同一視はフロイト,S.が提唱した精神分析理論における重要概念の一つで,親など重要他者のようになりたいと思い,同じようにふるまったり,その内面を内在化したりすることと定義されることが多い。臨床心理学以外の分野での同一視研究から,共感は,この意味の同一視の背景や基盤にあることが示唆された。しかし,同一視にはこのほかにもさまざまな意味がある。集団状況や退行状態での同一視や乳児の母親への同一視,映画やドラマ,小説等の登場人物への同一視などでは,情動感染や自動的な共感が起こりやすいと考えられる。心理療法における共感にも同一視の過程が含まれていると指摘する理論家もいる。他者の立場に立って気持ちを考える役割取得にも,融合的な同一視過程が含まれている可能性がある。同一視と共感は,おそらく無意識過程で深いつながりを持つことが示唆された。
収録刊行物
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- 生活科学研究
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生活科学研究 43 111-123, 2021-03-30
文教大学
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390009226292351872
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- NII論文ID
- 120007166919
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- ISSN
- 02852454
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可