「語り」と「物語」が織りなす授業の一考察 : 沖縄大学「障がい原論」参加者のライフヒストリーから

書誌事項

タイトル別名
  • A study on practice of the class based on“storytelling” and “stories”. : Focus on life-history interview about “Disability principle class”participants of the Okinawa University
  • 「 カタリ 」 ト 「 モノガタリ 」 ガ オリナス ジュギョウ ノ イチ コウサツ : オキナワ ダイガク 「 ショウ ガ イ ゲンロン 」 サンカシャ ノ ライフヒストリー カラ

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説明

本稿は「障がい原論」という、障がい者をゲスト講師に招き、そのライフヒストリーを軸に学生参画型で展開する授業を、参加者のライフヒストリーインタビューから考察するものである。「障がい原論」は、授業の展開とともに受講生の信頼関係が構築され、ゲスト講師のライフヒストリーを受ける形で、受講生もライフヒストリーを語り合う。授業の中でライフヒストリーを聴き話すという、受容的かつ応答のある関係が芽生えることから、障がいについて新たな視点を得る者や、過去の経験の意味付けが変容する者もいる。一方で、障がい学生支援活動や大学の支援体制など、大学内に障がい学生のコミュニティがあり、障がい学生にとって語ることが現実生活の過ごし易さにつながっていることも重要な視点である。このように障がい原論が、「語り」と「物語」が織りなす「ナラティブ・コミュニティ1」として存在していることを明らかにし、ナラティブを重視した授業の可能性を見出した。一方、個人の「物語」の変容をどのように社会の「物語」の変容につなげていくかは課題である。大学での実践を基に地域に様々な「ナラティブ・コミュニティ」を創造することが望まれる。

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