小学校卒業を前にした子供たちのレジリエンシーとソーシャルサポートがストレス過程に及ぼす影響

  • 北村 恵美子
    高崎健康福祉大学大学院健康福祉学研究科保健福祉学専攻博士後期課程

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of resiliency and social support on stress process in children prior to elementary school graduation
  • ショウガッコウ ソツギョウ オ マエ ニ シタ コドモ タチ ノ レジリエンシー ト ソーシャルサポート ガ ストレス カテイ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

<p> 小学校卒業前の子供たちは、中学校進学に対する期待や不安、思春期の心身変化に直面する。この時期の子供たちのストレス過程を把握し、健康支援に生かすことが求められる。本研究は、ストレス緩衝因子として知られているレジリエンシーとソーシャルサポートが、小学校卒業前の子供たちのストレス過程に及ぼす影響を、共分散構造分析により検証することを目的とした。5つの小学校を卒業予定の6年生に自己記入式質問紙を行い、本人と保護者から同意の得られた216名の有効回答を分析対象とした。その結果、ストレッサーからストレス反応およびレジリエンシーに対する有意なパスが示された。レジリエンシーからは、ストレス反応への直接緩衝効果も認められた。ソーシャルサポートからストレス反応への直接的な影響は示されず、父親、母親、友人のソーシャルサポートはレジリエンシーを介して、ストレス反応に有意な影響を与えていた。担任、友人のソーシャルサポートは、ストレッサーを緩衝することで間接的にストレス反応に影響を与えていた。この時期の子供たちにとって、レジリエンシーがストレス過程に影響を及ぼすことが示され、肯定的志向や感情調整、新奇性追求を高めるような健康教育の重要性が示唆された。また父親、母親、友人、担任のソーシャルサポートは、レジリエンシーやストレッサーを介してストレス反応を緩衝し、対人的支援の重要性が示唆された。</p>

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