所有とアクセスからみた情報メディアの利用

書誌事項

タイトル別名
  • Information Media Use
  • Ownership and Access

抄録

【目的】情報メディアは,従来所有して利用することが一般的であった。しかし近年,経済活動における多様なサービスの展開,デジタル環境が進む中,アクセスをベースとする利用行動が広まってきている。本研究では,小説,教養書や専門書,漫画,音楽という4種類の情報メディアに関して,先行研究における包括的所有概念の機能構成が断片化するという考え方に基づき,各情報メディアの購入,借出,サブスクリプションといった利用行動を「所有」「準所有」「アクセス1」「アクセス2」「アクセス3」の5類型に整理した上で,現在どの利用が中心になされているのかを明らかにし,利用傾向によって回答者を類型化し,各グループを特徴づけることを目的とする。【方法】日本国内の1,030名(男女,年齢均等割付)を対象にオンラインパネル調査を実施した。設問は情報メディアの利用に関する30項目,情報メディアの志向に関する5項目,情報メディアの利用頻度に関する3項目,機器の所持と利用に関する2項目,性格特性に関する10項目である。情報メディアの利用に関する30項目の回答結果に基づいた階層的クラスタリングによって得られた樹形図に基づき,7クラスタを同定した。【結果】情報メディアの利用に関する質問30項目のうち27項目で,「全くしない/知らない/わからない」という回答が50%以上を占めていた。一方,YouTubeなどの無料動画サイトでの音楽鑑賞を「非常によくする/よくする」と回答した者は41.9%だった。各メディアの利用状況に基づき,情報メディアの利用の少ない5クラスタに対して,それぞれ「YouTubeのみ利用」「非利用」「図書館利用」「音楽利用(定額)」「所有」と名付けた。情報メディアの利用の多い2クラスタに対して,「全メディア積極利用」「積極利用(アクセス3重視)」と名付けた。これらのクラスタに関して,情報メディアの利用頻度,性格傾向などの特徴を整理した。

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参考文献 (10)*注記

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