現代的貨幣論の構造と租税論・予算論からの検討
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- 佐藤 一光
- 岩手大学人文社会科学部
書誌事項
- タイトル別名
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- Modern Money Theory, Its Theoretical Structure and Examining from Tax and Budget Theory of Public Finance
説明
<p> 現代的貨幣論(MMT)の基本構造を確認し,租税論と予算論から考察を行った。MMTはポスト・ケインズ派が発展させてきた内生的貨幣供給論を,政府・中銀の発行する垂直的貨幣である現金・準備・公債に拡張するものであるが,その理論構造の複雑性が理解の妨げになっている。本稿はMMTを「貨幣は負債である」という定義から派生する「水平的貨幣創造」とそれに付随する「アコモデーション」,「垂直的貨幣創造」とそれに付随する「貨幣主権性」「租税貨幣論」,さらに水平的貨幣と垂直的貨幣を一体的に把握する「債務ヒエラルキー」「Stock-Flow Consistent」という系統に分類して説明した。そこに「資金運用者資本主義」という認識と「ミンスキーの半世紀」という要素を加えることで「財政赤字の必要性」を導出し,「機能的財政論」と合わせて「雇用保証プログラム」(JGP)という政策提案に至る構造を解説した。さらにMMTの租税論・予算論を詳細に検討することで,既存の財政学との視点の違いについて整理した。</p>
収録刊行物
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- 財政研究
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財政研究 16 (0), 152-171, 2020
日本財政学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390009305286655488
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- NII論文ID
- 130008142897
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- ISSN
- 24363421
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
- KAKEN
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可