対話場面における副詞「ただ」使用上の制約の分析 : 母語話者と学習者のコーパスデータを比較して

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タイトル別名
  • An Analysis of the Constraints on the Use of the Adverb tada in Dialog : Based on the Corpus of Japanese Native Speakers and JSL Learners

抄録

本稿は,副詞「ただ」の対話場面における使用上の制約を明らかにすることを目的として,母語話者のコーパスデータ,および評価データとして比較を行う学習者のコーパスデータ,の2つのデータを用いて分析を行った。それらの分析の結果,母語話者の対話場面における副詞「ただ」の使用に際して推察されたことは以下の通りである。(1)「ただ」の副詞としての使用は少ない。(2)動詞をとりたてる傾向が強い。(3)動詞をとりたてる際には,限定副詞類の「単に」「単純に」「ひたすら」や,副助詞「だけ」と共起する傾向がある。(4)比較表現やとりたてる範囲(範列的関係にある範囲)の限定を否定する表現も共起することがある。(5)「ただNだ」のような形の名詞述語文は不自然に感じられやすい。(6)名詞をとりたてる使用は不自然に感じられやすい。(7)必要な表現との共起のない動詞を取り立てる使用は不自然に感じられやすい。

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