ポライトネス理論における社会的制限の変化と表現選択の幅の拡大

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  • ポライトネス理論における社会的制限の変化と表現選択の幅の拡大--日本語における行為の授受表現「~テイタダク」を例に
  • ポライトネス リロン ニ オケル シャカイテキ セイゲン ノ ヘンカ ト ヒョウゲン センタク ノ ハバ ノ カクダイ ニチホンゴ ニ オケル コウイ ノ ジュジュ ヒョウゲン テイタダク オ レイ ニ

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抄録

Brown&Levinson(1987)のポライトネス理論の特徴は戦略的表現の選択にある。本稿では敬語のように社会的要素から表現選択に課せられる制限を社会的制限と呼び、その社会的制限を言語上変化させることで表現選択の幅を変化させるというポライトネス上の戦略について、鶴田(2003)のスタイル管理領域•発話内効力管理領域、宇佐美(2002)の有標ポライトネス・無標ポライトネスという概念を用いて、日本語における行為の授受表現「~テイタダク」を例に考察した。その結果、行為の授受表現は話し手と聞き手との間の力関係と社会的距離に、恩恵の授受を共有することで生まれる関係性から共感・親密性といった情感を持ち込み、質的に転換させることで、社会的制限の変化をもたらし、表現選択の幅を変化させていることを明らかにした。また、行為の授受表現の使用によってポライトネス効果が高く、安定している場合は、今度はその使用自体が制度化され、一般化することで、ポライトネス全体の中で選択できる表現の多様性を言語的に支える相互作用を指摘した。

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