外国人技能実習生の健康問題と対処行動に関わる質的事例研究

書誌事項

タイトル別名
  • A Qualitative Case Study of Health Problems and Coping Behaviors of Foreign Technical Intern Trainees in Japan
  • ガイコクジン ギノウ ジッシュウセイ ノ ケンコウ モンダイ ト タイショ コウドウ ニ カカワル シツテキ ジレイ ケンキュウ

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抄録

<p>外国人技能実習生の来日後の健康問題と対処行動を明らかにするために,6名の外国人技能実習生に半構造化インタビューを実施した。逐語録を作成し,研究参加者が経験した特徴的な健康問題と対処行動について,事例ごとにまとめた。さらに,すべての事例について,インタビューガイドの項目ごとに,質的帰納的に分析し,各項目の特徴を示した。特徴的な健康問題は,食欲不振・体重減少,寒冷じんましん,凍瘡(しもやけ),月経痛・膀胱炎,智歯周囲炎,副鼻腔炎であった。質的帰納的に分析した結果,外国人技能実習生は,来日後の健康問題として,【日本の気候風土に起因する健康問題】,【仕事に起因する健康問題】,【環境の変化に起因する健康問題】,【既往症の再発】を経験していた。健康問題発現後の対処行動としては,【母国の医薬品の使用】,【セルフケアによる健康状態の改善】,【信頼できる人への相談】,【医療機関の受診】があった。また,受診後の行動には,【服薬アドヒアランス行動】,【予防的な保健行動】,【高額な医療費による治療継続の断念】があった。</p><p>日本の気候風土・仕事・環境の変化に起因する健康問題に対して,基礎的な知識,予防や初期段階での対処方法について健康教育や保健指導などにより啓発し,疾患の予防や初期段階での適切な対処行動がとれるように支援することが重要である。</p>

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