高気圧酸素療法における合併症―突発性難聴239例での検討

  • 河辺 隆誠
    大阪労災病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科 大阪はびきの医療センター耳鼻咽喉科
  • 上塚 学
    大阪労災病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 道場 隆博
    大阪労災病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 太田見 祐介
    大阪労災病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 板倉 志織
    大阪労災病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科 市立豊中病院耳鼻いんこう科
  • 須藤 貴人
    大阪労災病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 辻村 慶
    大阪労災病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 西池 季隆
    大阪労災病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科

書誌事項

タイトル別名
  • Complications of Hyperbaric Oxygen Therapy for Sudden Deafness: A Review of 239 Cases
  • コウキアツ サンソ リョウホウ ニ オケル ガッペイショウ : トッパツセイ ナンチョウ 239レイ デ ノ ケントウ

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説明

<p> 高気圧酸素療法は急性感音難聴に対する治療法の1つで, 血液中の溶存酸素を増加させ, 障害を緩和する目的で使用されている. 当院は高気圧酸素治療施設を有しており, 突発性難聴をはじめとした急性感音難聴に対してステロイド治療との併用療法を行っている. 今回当科で高気圧酸素療法を施行した突発性難聴239例に対し, 主に合併症について検討したので報告する.</p><p> 合併症は239例中61例の25.5%の症例で見られた. 中耳炎を伴わない耳痛が13.8%, 鼓膜発赤が5.9%, 滲出性中耳炎が4.6%であり, 中耳気圧外傷が多くを占めた. 合併症によって中止となった症例は8.4%あったが, 合併症が生じた症例においても, 保存的治療や局所治療により半数以上の症例で治療を完遂し得た.</p><p> 突発性難聴において, 高気圧酸素療法の合併症を十分理解し, 適切に対処することで有効な治療成績が得られると考えられた.</p>

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参考文献 (13)*注記

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