佐世保中央病院リハビリテーション部における臨床教育担当者としての取り組み

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  • 石丸 寛人
    社会医療法人財団白十字会 佐世保中央病院

抄録

<p>【はじめに】</p><p>社会医療法人財団白十字会リハビリテーション部では、専門教育・学術活動・地域講演の3 本柱を担う法人内認定の専門職群として、臨床教育担当者制度を2018 年度より創設し、臨床場面での教育活動を行っている。今回は、急性期病院である、佐世保中央病院(以下、当院)リハビリテーション部における、臨床教育担当者の取り組みを、病棟専任スタッフとしての活動も交え報告する。</p><p>【臨床教育担当者及び、病棟専任スタッフとしての活動内容】</p><p>臨床教育担当者として、(1)臨床場面を中心とした、早期離床に向けたリスク管理など、定期的・継続的なスタッフ教育、(2)がんのリハビリテーション手順書の企画・作成、(3)がんのリハビリテーションメンバーでのミーティングの企画・開催、(4)スタッフ教育のためのがんのリハビリテーション講義動画の作成、(5)緩和ケアチーム看護師向けの勉強会やリハビリテーションスタッフ向けの勉強会での講師、(6)一般職スタッフの学術発表支援、(7)法人内学術集会の企画・運営・講師の実施、また、佐世保中央病院外科病棟専任のリハビリテーションスタッフとしては、(1)外科カンファレンスへの参加、(2)病棟カンファレンスへの参加、(3)緩和ケアチームカンファレンスへの参加を行っている。</p><p>【結果】</p><p>スタッフ教育に関して、治療内容や治療効果の把握、病期に合わせたリハビリテーションの目標設定などの指導や、退院支援への関わり、臨床場面での治療・介助に対する指導などを行った。がんのリハビリテーション手順書に関しては、現在は指導場面を中心に使用しており、今後は、リハビリテーションスタッフが使用しながら、確認できるものとなるよう広報活動を行っていく。がんのリハビリテーションメンバーでのミーティングの中では、各種マニュアルの改訂や、評価項目の検討・周知、症例検討等行い、事例の共有や多職種でのカンファレンスへの紹介に繋げるケースもあった。がんのリハビリテーション講義動画の作成としては、一般職スタッフへ向けの講義動画を作成し、視聴後の確認テストも行っている。各種勉強会については、リハビリテーション部内だけでなく、他職種からの依頼もあり、開催することができた。一般職スタッフの学術発表支援については、学会発表を行うスタッフに対し、抄録、スライド作成のアドバイスを行った。法人内学術集会については、毎年リハビリテーション部での学術集会を企画し、運営やその中での講義を行った。各種カンファレンスへの参加については、カンファレンス参加後、患者担当スタッフへ情報伝達を行い、必要時に指導を行った。</p><p>【まとめ】</p><p>リハビリテーション部スタッフへ指導、教育の視点を持ちながら、臨床教育担当者、病棟専任スタッフとしての役割を行った。臨床教育担当者としては、リハビリテーション部内の教育に携わる専門職として、臨床業務の中で継続的に指導を行うことができること、相談役としての立場が明確となることがメリットではないかと考える。病棟専任スタッフとしては、病棟スタッフと関わる機会が多くなり、報告・連絡が密に行えることで、タイムリーな指導に繋げられること、また、介助指導や病棟での環境調整など臨床場面での指導が行いやすくなったことがメリットとして挙げられる。臨床場面での指導や、指導としての介入頻度が増えることで、一般職のリハビリテーション技術の質向上にも繋がっていくのではないかと考える。今後も、年間計画を立て継続的にスタッフ教育を行い、地域で活躍できるスタッフの教育・育成を行っていきたい。</p><p>【倫理的配慮,説明と同意】</p><p>本報告はヒトを対象としていないため該当せず。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390009483092918144
  • NII論文ID
    130008154637
  • DOI
    10.32298/kyushupt.2021.0_37
  • ISSN
    24343889
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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