静脈血栓塞栓症に対する抗凝固療法—DOACとくに経口直接Xa阻害薬について

書誌事項

タイトル別名
  • Anticoagulant Therapy for Venous ThromboembolismCharacteristics of Direct Factor Xa Inhibitors

この論文をさがす

説明

<p>日本では2004年に静脈血栓塞栓症(VTE)の診断,治療,予防のガイドラインが発表されたが,その後の改定とともに治療体系が大きく変化してきた.現在の治療では抗凝固療法が基本であり,とくに直接経口抗凝固薬(DOAC),なかでもVTEに適応のある経口直接Xa阻害薬が主流となってきている.直接Xa阻害薬であるエドキサバン,リバーロキサバン,アピキサバンは発現が早い,固定量の投与でよい,モニターが不要,P糖タンパク,代謝酵素CYP450に影響を受ける,などの特徴を有する.3剤で使用法に若干違いがあり,エドキサバンでは減量基準がある.DOAC服用時は凝固因子検査に影響を及ぼす影響があり,日常診療時のモニターにはプロトロンビン時間が有用である.DOACは,がん関連静脈血栓症では消化管や泌尿器系において出血性事象に注意すべきで,抗リン脂質抗体症候群には推奨せず,超肥満例には注意が必要である.DOACの特徴を認識し,症例ごとの損益を評価し治療する必要がある.</p>

収録刊行物

  • 静脈学

    静脈学 33 (1), 7-14, 2022-02-09

    日本静脈学会

参考文献 (15)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ