腸管不全を伴う日本人短腸症候群患者における12ヵ月間のテデュグルチド治療の安全性及び有効性

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抄録

<p>背景: テデュグルチド(本剤)は、短腸症候群(SBS)の治療薬として既に欧米で承認されているGLP-2アナログ製剤である。腸管不全を伴う日本人成人SBS患者を対象とした第Ⅲ相試験(SHP633-306)において、24週時点での臨床的意義のある静脈栄養サポート(PS)量の減少が確認されている。さらなる継続投与試験(SHP633-307)を実施し、総投与12ヵ月時点での安全性及び有効性を検討した。</p><p>方法: PSに依存するSBS患者を対象とした第Ⅲ相非盲検多施設臨床試験を完了した患者を対象とし、1日1回本剤0.05 mg/kgを投与した。有効性はSHP633-306試験のベースライン(BS)時点からの1週間当たりの総PS変化量及び変化率等で評価した。有害事象(AE)は試験期間中継続して評価した。</p><p>結果: 継続投与試験BS時の患者背景は、男:女2:2例、平均年齢40.8歳、平均SBS羅病期間22.4年、SBSの原疾患はクローン病3例と腸軸捻転1例、平均残存小腸長320.0cm(n=3)、回腸ストーマ保有2/4例、結腸残存3/4例で残存する結腸の平均割合36.7%であった。6ヵ月及び12ヵ月時点で、全例で1週間総PS量がSHP633-306試験のBSより20%以上減少が維持された。BS時のPS量13.0 ± 5.53L/weekから12ヵ月時点でのPSの平均変化量±SDは−7.3±6.47 L/週であった(変化率:−51.6±28.51%)。治験薬投与下で発現した有害事象(TEAE)は、3/4例において13件確認され軽度または中等度であった。本剤との因果関係があるTEAEは報告されなかった。</p><p>結論: 日本人SBS患者における本剤投与による効果の経時的増大が継続して認められた。12ヵ月継続投与においても、本剤の忍容性は良好であり、日本人SBS患者において新たな安全性リスクは確認されなかった。</p>

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  • CRID
    1390009640053761792
  • NII論文ID
    130008161153
  • DOI
    10.32264/shocho.5.0_40
  • ISSN
    24347019
    24342912
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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