クローン病小腸病変に対するバイオマーカーの有用性比較

DOI
  • 阿曽沼 邦央
    北里大学北里研究所病院 炎症性腸疾患先進治療センター 昭和大学医学部内科学講座 消化器内科部門 (藤が丘病院)
  • 小林 拓
    北里大学北里研究所病院 炎症性腸疾患先進治療センター
  • 宮谷 侑佑
    北里大学北里研究所病院 炎症性腸疾患先進治療センター
  • 森久保 拓
    北里大学北里研究所病院 消化器内科
  • 北條 紋
    北里大学北里研究所病院 消化器内科
  • 福田 知広
    北里大学北里研究所病院 消化器内科
  • 佐上 晋太郎
    北里大学北里研究所病院 消化器内科
  • 中野 雅
    北里大学北里研究所病院 炎症性腸疾患先進治療センター 北里大学北里研究所病院 消化器内科
  • 日比 紀文
    北里大学北里研究所病院 炎症性腸疾患先進治療センター

抄録

<p>【背景】クローン病(CD)の小腸病変は予後に与える影響に比べてその診断に困難さが伴うことからバイオマーカーがより重要である。CRPは特異度は高いが感度が低く、便中カルプロテクチン(FC)はその欠点を補いうるとされ、また新規バイオマーカー血清Leucin rich a2 glycoprotein (LRG)の有効性も報告されている。本研究では小腸病変に対する高感度(hs-)CRP/FC/LRGの有用性を比較検討した【方法】画像検査(大腸内視鏡(CS)、バルーン小腸内視鏡(BAE)、MRエンテログラフィー(MRE)、腸管エコー(GIUS)など)と同時にバイオマーカーを前向きに測定したCDAI<220のうち、小腸のみ活動性病変を有する症例と粘膜治癒症例とを比較検討した。小腸粘膜治癒は、SES-CD潰瘍スコア≦1、セグメントMaRIAスコア<11もしくはLimbergスコア≦1とした。膿瘍合併例、小腸病変検索の際CSのみの症例は除外した【結果】対象は粘膜治癒23例小腸活動性病変あり25例で、CDAI中央値63、画像検査はCS 16例、BAE 18例、MRE 24例、GIUS 18例(重複あり)であった。AUCはCRP 0.80(95% CI 0.64-0.89)、FC 0.72(0.54-0.85)、LRG 0.79(0.63-0.89)であった。CRP≧0.3では87.5%で小腸活動性病変があるため、CRP<0.3陰性40例(粘膜治癒22例、小腸活動性あり18例)に限定して検討すると、AUCはFC0.69(0.47-0.84)、LRG0.73(0.52-0.87)であった。このうちLRG<10.8で77.8%は粘膜治癒、LRG≧16で87.5%に小腸活動性炎症を認めた【結語】LRGはCD小腸病変診断に有用で、CRPと併用する事で効率よく粘膜治癒を予測しうることが示唆された</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390009640053764864
  • NII論文ID
    130008161129
  • DOI
    10.32264/shocho.5.0_56
  • ISSN
    24347019
    24342912
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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