地形,基盤整備および土地利用変化が水田土壌の断面形態に及ぼす影響評価

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タイトル別名
  • Effects of landform, land improvement, and land-use changes on soil profile morphology of paddy soil
  • チケイ,キバン セイビ オヨビ トチ リヨウ ヘンカ ガ スイデン ドジョウ ノ ダンメン ケイタイ ニ オヨボス エイキョウ ヒョウカ

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抄録

<p>既存土壌図の効率的かつ高精度な情報更新のためには,現在の土壌分布に関わる要因を明らかにし,土壌の変化を予測する必要がある.本研究では過去の調査結果と基盤整備履歴が残る地域において,多地点簡易土壌断面調査を実施し,過去の調査結果と比較を行うことで,1)現在の土壌分布と地形区分との関係,2)基盤整備による土壌断面形態の変化,3)土地利用変化による土壌断面形態の変化,を明らかにすることを目的とした.</p><p>多地点簡易土壌断面調査の結果,1)基盤整備による土壌の物理的移動に関わらず,地下水が継続的に供給される谷底平野ではすべてグライ低地土群に分類された,2)基盤整備による排水改良や田畑輪換への土地利用変化の結果,基盤整備前に「グライ低地土群」であった地点のグライ層の出現深度が低下していた,3)基盤整備前に排水性が比較的良好な地点では水田土壌化作用により低地水田土群へと変化したことが明らかとなった.</p><p>以上の結果から,過去の調査資料を用いることで,土壌断面形態の長期的な変化を広域評価することが可能であるとともに,効率的かつ高精度な土壌図の更新のためには,地形区分の他に,基盤整備による排水改良や土地利用変化による人為的な影響を考慮する必要があることが示唆された.</p>

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