遠赤外線融雪面の積雪深推計モデルと最適運転条件

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タイトル別名
  • A model for estimating snow depth on a far-infrared system snowmelt surface and its optimum operating conditions
  • エンセキガイセン ユウセツメン ノ セキセツシンスイケイ モデル ト サイテキ ウンテン ジョウケン

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抄録

国道17 号芝原トンネル坑口の落雪防止柵に設置された遠赤外線融雪装置の融雪面における積雪深シミュレーションモデルを構築し,最適運転条件を検討した.Degree-day 法をもとに時間単位の気温,降水量,自然積雪深データから実用上支障のない精度で融雪面の積雪深を推計できるモデルを構築した.このモデルに2012 年冬季の気象データを入力して最適運転条件を見積もったところ,融雪能力は100Wm−2,装置発停は現行の積雪深二値制御(運転開始250cm,運転停止200cm)が妥当であることが示された.また,雪崩を考慮したモデル(雪崩判定が出ると落雪防止柵前の積雪深が14.7cm 増加する)を構築した.一冬で2 回の雪崩判定が生じる年でも,最適運転条件で融雪すれば積雪深を設定許容値300cm 以下に保つことができることを示した.さらに,10 年間分の気象データを用いてコスト計算を実施した.制御条件を積雪深二値制御とし,電気料金契約を従量料金が安価なプランへ変更することで,10 年間で電気料金を57 万円削減できることを示した.人力除雪にかかる費用は10 年間で1350万円であり,初期投資やメンテナンスにかかる費用を加味しても遠赤外線融雪装置を導入した方が790万円安くなることが示された.

収録刊行物

  • 雪氷

    雪氷 83 (4), 385-401, 2021

    公益社団法人 日本雪氷学会

参考文献 (1)*注記

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