石炭焚火力へのアンモニア混焼について

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タイトル別名
  • Ammonia Co-firing in Coal-fired Power
  • セキタンダキ カリョク エ ノ アンモニアコンショウ ニ ツイテ

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説明

<p>石炭焚火力へのアンモニア混焼について</p><p>火力発電の脱炭素化に向け,今後の石炭火力が求められるニーズには,廃止対象火力の延命化,残存石炭火力の機能向上,廃止後の火力新設がある。</p><p>アンモニア利用拡大の流れは,日本国としては水素エネルギーの普及を促進しているが,アンモニアもCO2フリー燃料として検討されつつある。</p><p>アンモニア利用のメリットは,水素含有率が高い,水素と異なり比較的容易に液化可(輸送に向いている),既存の製造,輸送,貯蔵のインフラ技術が利用可,直接燃焼あるいは水素化し,ボイラ,ガスタービン,燃料に使用可,等である。</p><p>課題としては,⑴アンモニア設備の安全性確立(法規整備),⑵現状,天然ガスを改質,合成する製造方法であり,CO2フリーにならない ⑶相対的に化石燃料より高価格である,⑷現状,肥料などへの利用が主であり貿易量が少ない,がある。</p><p>混焼技術は,アンモニアの燃焼速度は石炭(微粉炭)とほぼ同じであり,アンモニア混焼により伝熱部の改造は不要である。ボイラはバーナ改造のみで対応可能である。アンモニア混焼によるNOx抑制について,炉内脱硝の滞留時間確保及び脱硝装置強化により,当社は最適経済性案を提示可能である。当社は高効率で環境に優しいエネルギー創出システムの拡充・普及に力を注ぎ,エネルギーの脱炭素化を促進する。</p><p>バイオマス混焼技術</p><p>火力発電の脱炭素化に向け,CO2フリー燃料であるバイオマスの活用が期待されている。既設石炭火力(微粉炭焚ボイラ)のバイオマス混焼改造として使われるバイオマス燃料は,その粉砕性から木質ペレットが主となる。</p><p>木質系バイオマスである木質チップは,大きな木材を切ったり削ったりして作られた,中小サイズの木材である。木質ペレットはこの木質ペレットに数工程付加することで製造される。同じく木質系バイオマスであるパーム椰子殻はパーム農園の副産物であり,持ち運びが容易で安価な燃料である。廃棄物は,通常費用をかけて焼却または埋め立て処理される潜在的なバイオマス燃料である。</p><p>バイオマスの混焼は,バーナやミルといった燃焼装置の改造を主とした,確立された改造メニューを適用することで実現される。実際の改造は,発熱量割合で石炭との混焼比率で5〜50%混焼や,100%バイオマス専焼といった設計条件で適用される改造メニューを選択することになる。当社では30%混焼ユニットから100%専焼ユニットまで豊富な実績を有している。当社はCO2削減の有力策といえるバイオマス利用をはじめとして,多くの実績のある燃焼技術を活かした新たなソリューションを提案する。</p>

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 75 (12), 1104-1107, 2021

    紙パルプ技術協会

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