ロボット支援下胃切除術後早期に背側膵動脈分枝に生じた仮性動脈瘤の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Pseudoaneurysm of a Branch of the Dorsal Pancreatic Artery after Robotic Gastrectomy

この論文をさがす

抄録

<p>今回,我々はロボット支援下胃切除術後早期に発症した仮性動脈瘤の1例を経験したので報告する.症例は43歳の男性で,2型進行胃癌に対してロボット支援下幽門側胃切除術,D2郭清を施行した.膵上縁郭清にやや難渋したが,術中偶発症なく手術を完遂した.術後3日目に腹腔内感染症の鑑別目的に腹部造影CTを施行したところ,脾動脈起始部の頭側に約1 cmの仮性動脈瘤が疑われた.緊急血管造影を行い,背側膵動脈の分枝に仮性動脈瘤が認められたため,コイル塞栓術を施行した.後方視的に手術ビデオを検討すると,脾動脈近位部で膵背側から腹側に向かって走行する細い小動脈を不十分な凝固で切離しており,これが仮性動脈瘤形成の一因と考えられた.その後の経過は良好で術後16日目に退院した.ロボット支援手術でメリーランドバイポーラ鉗子を使用する際は意図しない不十分な凝固で小動脈を切離してしまうことがないよう注意が必要と考えられた.</p>

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (20)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ