腹腔鏡下幽門側胃切除のデルタ吻合部のステイプルにより腸閉塞をきたした1例

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  • A Case of Intestinal Obstruction Caused by a Staple Used for Delta-shaped Anastomosis in Laparoscopic Distal Gastrectomy

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抄録

<p>症例は84歳男性.胃癌の診断で腹腔鏡下幽門側胃切除術,Billroth Ⅰ法(デルタ吻合)が施行された.が施行された.術後麻痺性イレウスとなるも,保存的に改善,術後6日に食事摂取開始,14日目に退院となった.術後20日目に腹部膨満,嘔吐を認め,CTで空腸の拡張とデルタ吻合部での狭窄を認めた.経鼻胃管による減圧で改善したが,食事摂取再開後に症状の再燃を認め, 手術の方針となった.腹腔鏡下に観察すると,空腸が横行結腸を乗り越え,吻合部前面に強固に癒着し,狭窄していた. 癒着の原因はデルタ吻合の共通孔閉鎖に使用したステイプルと考えられた.癒着剝離と空腸部分切除を施行した.術後経過は良好で,再手術後10日目に退院となった.</p><p>腹腔鏡下胃切除術におけるデルタ吻合は標準的術式である.デルタ吻合による腸閉塞の報告はなく非常に稀な合併症であるが,共通孔閉鎖にステイプルを使用せず,連続縫合にて閉鎖するなどの癒着を考慮した再建方法が必要であると考えられた.</p>

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