MERS2型に罹患したX連鎖Charcot-Marie-Tooth病の兄弟例

DOI
  • 伊藤 研
    富士市立中央病院小児科 東京慈恵会医科大学小児科
  • 日暮 憲道
    東京慈恵会医科大学小児科
  • 古河 賢太郎
    富士市立中央病院小児科 東京慈恵会医科大学小児科
  • 橋口 昭大
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科神経病学講座神経内科・老年病学
  • 高嶋 博
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科神経病学講座神経内科・老年病学
  • 菊池 健二郎
    東京慈恵会医科大学小児科 埼玉県立小児医療センター神経科

書誌事項

タイトル別名
  • The brothers of X-linked Charcot-Marie-Tooth disease affected MERS type-2

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抄録

<p> X連鎖Charcot-Marie-Tooth病1型 (CMTX1) では, 脳梁膨大部病変を有する軽症脳症 (MERS) に該当する一過性中枢神経障害の併発例が報告されている. MERS 2型罹患を契機にCMTX1と診断した兄弟例を報告する. 12歳の弟はマイコプラズマ肺炎罹患後に意識障害, 四肢麻痺, 構音障害が出現した. 頭部MRI拡散強調画像では脳梁膨大部と大脳深部白質に対称性高信号病変が一過性に出現し, 臨床症状と併せMERS 2型と診断した. 兄もMERS 2型に罹患した既往があり, さらに兄弟と母親に下肢腱反射消失, 逆シャンパンボトル型の下腿筋萎縮, 凹足を認めることからCMTX1を疑った. その後, 弟のGJB1にミスセンス変異NM_000166.6 (GJB1) : c. 77C>T (p. Ser26Leu) が確認され, CMTX1と診断した. けいれんを認めず, 大脳局所症状を有するMERS 2型例は基礎疾患としてCMTX1の可能性を考慮するが, 小児期は末梢神経障害が目立たない場合が多い. そのため症状が早期に出現する下肢の神経学的診察を注意深く行う事に加え, 家族も同様に診察する事が重要である.</p>

収録刊行物

  • 脳と発達

    脳と発達 54 (1), 56-60, 2022

    一般社団法人 日本小児神経学会

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