【総説】 高分子多糖類の特徴を活かした新しい高性能バイオプラスチックの創製

  • 岩田 忠久
    東京大学大学院農学生命科学研究科生物材料科学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • [Review] To provide New Performance Bioplastic Utilizing the Characteristics of Polymer Polysaccharide

抄録

<p>天然に存在する様々な構成糖と結合を有する高分子多糖類から,耐熱性,機械的物性,光学特性に優れ,射出成形や溶融紡糸も可能な,熱可塑性を有するバイオマスプラスチックの創製に成功した.本稿ではまず,微生物やミドリムシが生合成するカードランやパラミロンおよびプルランをエステル誘導体化することにより得られた熱可塑性ポリマーおよびゼロ複屈折ポリマーについて紹介する.さらに,虫歯菌から得られた酵素を用いて,非天然型の高分子多糖類を,試験管内で水系・ワンポット合成することに成功した.合成したポリマー自体は熱可塑性を持たないが,同様のエステル化により,ナイロンやポリエチレンテレフタレートよりも優れた熱的性質を持つことがわかった.天然型および非天然型高分子多糖類を用いた,これまでにない新しいバイオマスプラスチックの可能性について紹介する.</p>

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参考文献 (11)*注記

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