音響性聴覚障害における蝸牛神経と海馬の障害メカニズムについて

DOI
  • 栗岡 隆臣
    防衛医科大学校 耳鼻咽喉科 北里大学医学部 耳鼻咽喉科・頭頸部外科

書誌事項

タイトル別名
  • Neural degeneration of auditory and hippocampal neurons in noise-induced hearing loss

抄録

<p>音楽プレイヤーやスマートフォンなどの普及による新しいタイプの音響暴露により,若者の音響性聴覚障害が大きな社会問題となっている.有毛細胞や蝸牛神経の障害が主要な病態とされるが,海馬の障害による認知機能低下についても報告がある.しかし,蝸牛神経や海馬の障害が音響障害によって直接引き起こされる1次性変化なのか,それとも有毛細胞死や難聴に伴う遅発性の2次変化なのかは明らかではない.我々は,強大音暴露による蝸牛神経及び海馬の変化は,音響障害による1次性変化と有毛細胞死および聴覚刺激の減少に伴う2次性変化の両者が関与していることを明らかにした.さらに,難聴に伴うストレス反応や,中枢神経炎症によるミクログリア浸潤が海馬神経障害の一因であったことから,音響性聴覚障害の治療にはストレスや炎症関連シグナルの制御による多面的な治療アプローチを介した聴覚刺激の維持が重要である.</p>

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詳細情報

  • CRID
    1390010292645293184
  • DOI
    10.11289/otoljpn.31.235
  • ISSN
    18841457
    09172025
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • KAKEN
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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