保全地域での自然災害後の緑化工について : 広島県宮島で発生した平成30年7月豪雨災害復旧工事での緑化事業

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  • Revegetation work after natural disasters in conservation areas: a case study of the greening project in restoration work for torrential rain disaster caused by the July 2018 heavy rainfall in Miyajima Island, Hiroshima Prefecture, Japan

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抄録

近年,豪雨などの自然災害が頻発しており,平成30年7月豪雨は西日本の広い範囲で甚大な被害をもたらした。広島県廿日市市宮島でも複数か所で土砂災害が発生し,その復旧工事の際の緑化工が行われた。宮島の場合,世界遺産に登録される前からさまざまな法律の規制を受けており,その復旧にはさまざまな制約が存在する。また,広島県の保存管理計画が策定されており,生物多様性の保全を念頭においた施工が求められる。本稿では2か所の緑化地区について,地域性種苗を用いた緑化工を実施した。植えつけ作業は2019年3月から4月に行われた。2019年12月の時点で,両地区で草本と木本をあわせて116種の維管束植物(帰化植物を含む)が確認された。また,樹木の苗は最大で約3 mの樹高まで成長が確認されている。今後,当初目標としていた植生にどの程度近づくのか継続調査を行う予定である。本事業で得られる基礎的な知見は,今後保全地域での緑化の際に参考になる情報である。

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