女性のヘルスケアと漢方〜看護師のアンケート調査から見えてきたこと〜

DOI
  • 宮田 潤子
    九州大学大学院医学研究院保健学部門看護学分野

Description

<p>看護師自身の健康状況、健康意識、漢方医学関心度の現状を明らかにし、看護師の体調管理に有益な要素を解析するためにアンケート調査を行った。対象 は 2014 年 9 ~10月、A 病院勤務の全看護師 1203 名。調査では(1)属性、(2)現 在の体調、(3)漢方医学に対する関心・認識、(4)健康増進ライフスタイルにつ いて質問した。有意水準をp <0.05とした。回答を得た1085 名中(回収率 90%)、887名(有効回答率 82%、女性:833 名)を解析した。現在の体調に関しては、女 性は月経に関連したからだの不調が多くみられた。その他に、肩こり、足のむく み、肌荒れの訴えが多かった。女性では体の不調と属性に関連性はなかったが、 男性では結婚・家族・子どもが体の不調を減じる要素となっていた。漢方医学へ の関心度(以下関心度)は 5 段階リッカート尺度の「非常にある」「少しある」を「関 心度高い群」(471名(53%))、「全くない」「あまりない」を「関心度低い群」(206 名(23%))とした。「関心度高い群」には、女性、経験年数が高い、外来勤務、管理 職、夜勤なし、同居家族あり、子どもあり、という特徴があった。体の不調の症 状が多い人では関心度が高いことも明らかになった。健康増進ライフスタイルに 関しては、得点が高いほど健康増進への意識が高いと判断されるが、下位尺度の「栄養」において、本邦他データより得点が低く、改善の余地があると考えられた。 女性では下位尺度項目得点が高い人ほど体の不調な症状が少なく、さらに、下位 尺度「身体活動」では特にその傾向が強かった。一方男性では下位尺度項目得点 が高い人ほど体の不調な症状が多く、特に「健康の意識」では特にその傾向が強 かった。しかし、「身体活動」では得点が高い人ほど体の不調な症状が少ない傾 向にあった。女性は健康増進活動が自身の健康に反映されている一方、男性では 自身の体調不良を自覚し、健康増進活動を高める傾向が考えられた。以上の結 果を踏まえて、看護師が自身の体の不調の改善、および健康増進行動のために 有用であると考える情報と漢方医学的治療について述べることとする。</p>

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390010292711662080
  • DOI
    10.34597/npc.2022.1.0_sp-1
  • ISSN
    24358460
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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