北海道冬季大停電時における循環器系・呼吸器系疾患の死亡リスク推計

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タイトル別名
  • Estimating the risk of death from cardiovascular and respiratory diseases during a Hokkaido winter blackout
  • ホッカイドウ トウキ ダイ テイデンジ ニ オケル ジュンカンキケイ ・ コキュウキケイ シッカン ノ シボウ リスク スイケイ

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抄録

平成30 年9 月北海道胆振東部地震では拠点火力発電所である苫東厚真発電所が無能化し全道電源喪失事態になった。冬季に同様な電源喪失を仮定し、人命リスクを推計した。冬季に死亡数が有意に増加する疾患は、循環器系の疾患、高血圧性を除く心疾患、急性心筋梗塞、心不全、脳血管疾患、脳内出血、脳梗塞、呼吸器系の疾患、肺炎、消化器系などの疾患であった。各疾患について、月別平均気温に対する死亡数の関係は1 次関数としてよく再現された。この関数を利用し、冬季大停電と大寒波とが重なる条件で死亡数を推計した。北海道2014 年2 月の事例である4 日間連続平均マイナス-7.7℃の条件で、循環器系・呼吸器系・消化器系の疾患の相対死亡リスクを推計すると、4 日間あたりで2.5 倍から4.1 倍の範囲となり、冬季大停電に大きなリスクがあることが明らかになった。

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