デリー首都圏の工業団地内農村におけるサバルタン・アーバニゼーション : ハリヤーナー州IMTマネサールB村を事例に<センター長特別寄稿>

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タイトル別名
  • Subaltern Urbanization of an Urban Village in the Industrial Estate in the National Capital Region of Delhi: Focusing on B village in IMT Manesar, Haryana<Special Contribution>

抄録

デリー首都圏の工業労働力は請負化が進み,その供給はビハール州やUP 州の農村からの出稼ぎ労働に負っている。他方,工業化は労働市場の形成ばかりでなく,人々の新しい経済的な営みとそれが発現される空間を生み出している。本稿は,そうした動向をサバルタン・アーバニゼーションの一形態と捉え,その実際を明らかにすることを目的とする。本研究の対象は,ハリヤーナー州IMT マネサールの工業団地内農村・B 村である。このB村でみられたサバルタン・アーバニゼーションは,以下のようなメカニズムにより生じたものと理解される。工業団地で働く請負労働者の多くは,低廉な家賃に引きつけられてB 村を始めとする近在の農村に居住するようになり,急激な農村人口の増加をもたらす。これが潜在的な需要となって,農村において各種の財・サービスの供給機能の立地が促される。その担い手の1 つは,かつての工業労働者や,その出身地であるビハール州やUP 州から新たに呼び寄せられてきた者であり,州間の人口移動を発生させている。いま1 つの担い手は,B 村から幹線道路に沿ったより遠方の地域を出身地とする者であり,NCR内での人口移動をもたらしている。これに村人による開業が加わり,多様な担い手構成がもたらされている。B 村で確認された以上のメカニズムは,底辺からの都市化として位置づけられるとともに,当地域では一般性を有すると考えられる。

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