落語を演じる経験は演者に何をもたらすか社会人落語家を対象とした検討

抄録

<p>落語の口演,稽古,鑑賞の体験が演者にもたらす影響を調査し,社会人落語家における対人ストレスユーモア対処およびユーモアスタイルの程度を調べ,落語経験との関連も調べた。24名の社会人落語家(男性16名,女性6名,その他の回答2名,平均年齢59歳)が調査に回答した。調査では落語経験(落語口演歴,持ちネタの数,1年のうち高座に上がる平均的な回数,落語鑑賞歴など),落語を演じる影響,落語の稽古を重ねる影響,落語鑑賞の影響(いずれも自由記述),対人ストレスユーモア対処尺度(桾本・山崎,2010),日本語版ユーモアスタイル質問紙(吉田,2012)へ回答を求めた。落語を演じる影響は,人前で話す行為への影響が最も多く,ついで対人関係への影響だった。落語の稽古の影響は,「自分の特徴,性格,資質への気付き」が最も多かった。落語鑑賞の影響は,「興味・理解の深まり」が最も多かった。高座に上がる回数が多い人ほど,鑑賞歴が長い人ほど対人ストレスユーモア対処尺度得点が低い傾向があった。ユーモアスタイルに関しては,落語口演歴が長い人ほど,自虐的なユーモアの程度が低く,自己高揚的なユーモアも低い傾向がみられた。</p>

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