説明
<p>繰り返し提示することで提示した対象がポジティブに評価されるようになることを単純接触効果と呼ぶ。一方で過度な繰り返しは飽きを生じさせポジティブな評価を減衰させるとされている。本研究では,過度な繰り返し場面で生じる飽きの程度を飽きやすさの個人差の観点から検討した。本研究はオンラインで行い,参加者は各自のPC画面から実験に参加した。参加者は0.1秒または2秒間提示される無意味輪郭図形64個を0,1,12,48回見て,最後に文字を1文字見た(実際に刺激を見ていたか確認する目的で提示した)。その後,各刺激への好意度評定,提示された文字の選択課題,再認判断課題を順に行い,課題全体に対する飽きに関する質問および飽きやすさ傾向尺度への回答を行った。分析は,提示された文字を正しく答えることができた参加者のみを対象とした。その結果,好意度は繰り返しの回数と共に上昇し,参加者の飽きやすさ傾向を考慮しても好意度は減衰しなかった。飽きやすさ傾向(外的刺激への飽きやすさ)は課題への退屈さや苛立ちと有意な正の相関を示しており,繰り返しによる飽きは繰り返された対象ではなく,課題全体に生じることが示唆された。</p>
収録刊行物
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- 日本心理学会大会発表論文集
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日本心理学会大会発表論文集 85 (0), PI-078-PI-078, 2021
公益社団法人 日本心理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390010292796313600
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- ISSN
- 24337609
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可