痛み緩和の心理生物学的基盤皮膚から脳まで

Description

<p>疼痛は「組織損傷が実際に起こった時あるいは起こりそうな時に付随する不快な感覚および情動体験,あるいはそれに似た不快な感覚および情動体験」(IASP, 2020)と定義され,分野を越えた集学的なアプローチが必要とされている。企画者らはその痛み緩和機構について,「皮膚」から「」に至る連続的・縦断的な視点からの理解を目指してきた。そこで本企画では,まず疼痛診療の基本を確認し(医学),マインドフルネスに基づく介入が痛み知覚の変容に与える効果と神経基盤(認知神経心理学),痛み部位への軽度接触刺激法がもたらす痛み緩和現象と左背外側前頭前野の血流量減少の生理学的な関係(神経生理学),ヒト歯髄由来の神経終末細胞皮膚細胞のケラチノサイトの共培養系による末梢レベルでの痛み緩和理解(細胞生物学)について話題提供を行い,異常心理学生理心理学の両専門家からの指定討論をいただく。また,各話題を統合的に理解する観点として,自由エネルギー原理に基づく予測的符号化による痛み緩和の理解を試みたい。なお,本企画は文部科学省科学研究費補助金・基盤研究(A)研究課題「痛みの心理生物学的基盤」に基づく成果報告の一環である。</p>

Journal

Details 詳細情報について

Report a problem

Back to top