抄録
<p>シネマグラフは動く部分と静止した部分からなる短いループ動画で,今日多くのインターネット広告で用いられているが,中には,それほど人目をひかないものもある。ピンタレストに投稿されたシネマグラフを印象評価させた予備実験から,当然の帰結である結果場面が欠落した原因だけのシーンからなるシネマグラフは好かれ,不思議に見られることがわかった。本研究では,原因シーンだけのシネマグラフの不思議さは時間感覚の違和感と関係があると考え,場面ループ印象と時間感覚を調べた。予備実験で用いたシネマグラフのうち,原因シーンのみのもの,結果シーンのみのもの,シーン因果関係の不明のものの3つを刺激として用いた。評価項目は不思議さ,面白くなさ,時間の流れの違和感,動画のループ印象で,45名の大学生がオンライン授業の中で画面に提示される3つの動画を見ながらGoogleフォームで回答した。その結果,原因シーンのみのシネマグラフは結果シーンのものと比べて有意に不思議で面白く,時間の流れが不自然で場面のループ印象が強かった。本研究より,時間の流れに矛盾する現象の存在が,シネマグラフの違和感と魅力に関係することがわかった。</p>
収録刊行物
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- 日本心理学会大会発表論文集
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日本心理学会大会発表論文集 85 (0), PH-003-PH-003, 2021
公益社団法人 日本心理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390010292800513408
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- ISSN
- 24337609
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可