心理的レジリエンス尺度による陸上自衛隊員のメンタルヘルスに対する予測妥当性に関する検討

抄録

<p>目的:日本ではレジリエンス尺度の予測妥当性を検討した報告は少ない。本研究は,陸上自衛隊員のメンタルヘルスに対する予測妥当性を検討するものである。方法:隊員561名を対象に2019年3月から10カ月間に調査を3回行った(T1~T3)。調査票は,年齢等の基本属性,ストレッサー指標に勤労者ストレス調査票の陸上自衛隊員用修正版(独自作成),レジリエンス指標にレジリエンス能力尺度日本語短縮版(RCS-JS),メンタルヘルス指標にK10を用いた。結果:階層的重回帰分析を用いた。T1及びT2のデータによる分析(分析1)とT2及びT3のデータによる分析(分析2)を行った。分析1では,T2のK10にT1のRCS-JS下位因子「自己調整」が有意な影響を示した(β=-.103, p<.05)。分析2でも,T3のT10にT2の「自己調整」が有意な影響を示した(β=-.105,p<.05)。なお,ストレッサーと「自己調整」の交互作用は有意ではなかった。結論:RCS-JS「自己調整」は,陸上自衛隊員にとってストレッサーの程度に関わらず予測妥当性のある要因であることが示唆された。</p>

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