多量のゴーストピルが直腸に長期遺残し難治性直腸潰瘍をきたした1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Refractory Rectal Ulcer due to a Large Amount of Ghost Pills

この論文をさがす

抄録

<p>症例は71歳女性.既往に精神疾患があり,バルプロ酸ナトリウムを含む多数の薬剤を内服していた.20XX年に発熱と腹部膨満を主訴に当院救急受診された.炎症反応の高値,巨大結腸症を認め,直腸内に多量の内容物貯留を認めた.当院内科で入院加療を開始した.下部消化管内視鏡検査で直腸内にバルプロ酸ナトリウムのゴーストピルと考えられる多量の未消化薬剤を認め,S状結腸から直腸にかけて多発潰瘍を認めた.慢性便秘,巨大結腸症から多量のゴーストピルが直腸内に長期遺残し,難治性多発直腸潰瘍が生じたと考えられた.その後も内科的治療を継続したが奏効せず当科紹介となった.S状結腸双孔式人工肛門造設術を施行し,術中内視鏡を用いて腸管洗浄を行った.直腸内には約膿盆1杯分のゴーストピルの貯留を認めた.術後経過は良好であった.今回われわれは多量のゴーストピルの長期遺残により難治性直腸潰瘍をきたした症例を経験したので報告する.</p>

収録刊行物

参考文献 (3)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ