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- 綾城 初穂
- 駒沢女子大学人間総合学群心理学類
抄録
<p>【目的】保護者支援の先行研究からは保護者が子どもを語る際に参照するディスコースが支援の過程で変化することが示唆されている。本研究では,保護者支援において子どもの語りが変化するプロセスを明らかにすることを目的とする。【方法】子どもへの対応に苦慮する保護者に対して著者が行った実践(録音記録)を検討対象とした。分析では,ディスコース上で個人がどのように構築されるかを理論化したポジショニング理論(Harré & van Langenhove, 1999など)の視点から,保護者の語りにおける子どもの位置づけ(ポジション)を質的にカテゴリー化し,それらを支援過程に沿って時系列に並べた。次に,子どもの位置づけが変化したと推測されるやりとりを特定し,そこでの支援者の働きかけを検討した。【結果と考察】語りからは子どもの位置づけが8種類見出された。ここから,例外事象の語りを契機に子どもを問題視する位置づけ傾向に変化が起きたこと,並行して子どもを語る際に当初参照していたディスコース自体も変容したこと,そして,こうした変化に,例外への焦点化や専門家の脱中心化といった支援者の働きかけが寄与したことなどが示唆された。</p>
収録刊行物
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- 日本心理学会大会発表論文集
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日本心理学会大会発表論文集 85 (0), PD-027-PD-027, 2021
公益社団法人 日本心理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390010292804641280
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- ISSN
- 24337609
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可