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- 森 久美子
- 関西学院大学
説明
<p>共感は援助行動を引き起こす要因の一つだが,特定のターゲットに共感することは,同様に援助を必要とする他の人々を犠牲にしてもターゲットを救うという不合理な援助につながることもある。本研究では,このような援助場面でのターゲットの集団成員性の効果を検討した。具体的には,ターゲットが臓器移植を必要しているという場面において,他の患者を後回しにしてもターゲットの治療優先順位を上げるべきかを尋ねた。ターゲットが内集団成員である場合に共感が高まり,外集団成員を犠牲にした援助意思が高まると予測したが,この予測は支持されなかった。共感喚起手続きとターゲットの集団成員性を参加者間で操作したオンライン調査を作成し,21歳から69歳までの男女458名が回答した。共感喚起手続きが有効でなかったため,喚起された共感(温かさ,同情の2因子)と援助意思の関係を集団条件別に検討した。2種類の共感得点を独立変数,年齢,性別,排外主義傾向を統制変数,援助意思を従属変数とした重回帰分析の結果,内集団条件では両共感得点の効果が有意であり,外集団条件では同情のみが有意であった。</p>
収録刊行物
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- 日本心理学会大会発表論文集
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日本心理学会大会発表論文集 85 (0), PC-165-PC-165, 2021
公益社団法人 日本心理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390010292808683776
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- ISSN
- 24337609
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可