説明
<p>同性愛者および両性愛者(LGB)は,マジョリティが経験しないストレッサー,すなわちマイノリティストレスを経験する。本研究では,被差別経験,性的多様性風土,内在化された異性愛中心主義(LGB当事者がもつ,非異性愛的な性のあり方を否定する認知;以下IHS),精神的健康の関係を,99名のLGB学生を対象とした横断調査で検討した。因子を仮定した相関分析の結果,過去に異性愛中心主義的な差別を受けたという認知が高いほど(r=.43, p<.001),また過去の環境が性的多様性を尊重していたという認知が低いほど(r=-.70, p<.001),IHSは高かった。過去の環境がIHSの形成に深く関与することが示唆された。さらに,マインドフルネスにおける脱中心化が,IHSが精神的健康に与える影響を緩衝するかを検討した。IHS,脱中心化,両者の交互作用項を独立変数とした重回帰分析の結果,IHSはネガティブ気分,自尊感情,主観的幸福感のどれも予測せず,交互作用もみられなかった。IHSは精神的健康に影響を及ぼさず,脱中心化は緩衝効果をもたないことが示唆された。</p>
収録刊行物
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- 日本心理学会大会発表論文集
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日本心理学会大会発表論文集 85 (0), PD-057-PD-057, 2021
公益社団法人 日本心理学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390010292808692224
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- ISSN
- 24337609
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可