紙パ技協誌の新たな発展に期待して

書誌事項

タイトル別名
  • An Essay on Methodology for Innovating “JAPAN TAPPI JOURNAL”
  • Part 18(final issue):A Short Thesis on Comparative Analysis of Journals for Relative Evaluation of the Japan TAPPI Journal
  • 第18回(最終回):紙パ技協誌の相対的評価に向けた比較雑誌論

説明

<p>今回の連載第18回をもって最終回とするが,紙パ技協誌をよりグローバルな視点から眺める意味で,紙パルプ技術協会が1947年の発足時から組織の形成と雑誌の編集において倣い強い影響を受けてきたアメリカのTAPPIと比較しながら,将来に向けた改善すべき問題点を考えて見たい。</p><p>1990年代後半からのインターネットの普及によりネットを通して多くの情報を無料で得られる環境になり,TAPPIの会員構成を見ると日本の会員が減少していることが判る。海外情報の抄録もある国内誌で十分と判断している紙パルプ技術協会の会員が多いのだろう。</p><p>紙パ技協誌は紙の冊子として会員に情報が届けられるが,TAPPI Journalではパソコンなどによりネットを通さなければ情報が得られない仕組みとなっているのが大きな差異である。情報の重要性に依るが紙冊子が有効なのか,ネットが有効か,の問題は不透明のままTAPPIは10数年前にネットによる情報提供に踏み切った。</p><p>TAPPIのDivisionに有り,Japan TAPPIの委員会に存在しない領域がいくつか存在するが,現状では紙パルプ技術協会は年次大会を始めとする多くのシンポジウムやイベントで適宜柔軟に新規な領域を取り込んでいる様子が伺える。しかし,コロナパンデミックや脱炭素がもたらした大きな時代の転換点に差し掛かっている現在は,紙パルプ技術協会および紙パ技協誌は慎重に構造改革による新たな方向を目指すべきではないだろうか。</p>

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 76 (1), 71-74, 2022

    紙パルプ技術協会

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