ブロダルマブを用いた多剤併用療法が奏効した難治性膿疱性乾癬の 1 例

  • 井上 慶一
    国家公務員共済組合連合会 浜の町病院皮膚科
  • 小田 真理
    国家公務員共済組合連合会 浜の町病院皮膚科
  • 竹内 聡
    国家公務員共済組合連合会 浜の町病院皮膚科
  • 古江 増隆
    九州大学大学院医学研究院皮膚科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Refractory Pustular Psoriasis Successfully Treated with Multidrug Therapy Using Brodalumab
  • ブロダルマブ オ モチイタ タザイ ヘイヨウ リョウホウ ガ ソウコウ シタ ナンチセイ ノウホウセイカンセン ノ 1レイ

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説明

<p>43 歳,男性。前医で初診 1 年前より生じた乾癬の外用治療を受けていた。初診 1 カ月前から腹部に紅斑,膿疱,鱗屑が生じ全身に拡大してきた。全身倦怠感,体動困難,四肢の関節痛で日常生活が困難となり,入院加療目的に当科に紹介され受診した。症状,血液検査,病理所見から膿疱性乾癬と診断した。シクロスポリン 200 mg/day とセレコックス 200 mg/day にて治療開始したが症状改善なく,抗 IL-17A 抗体であるセクキヌマブ 300 mg 皮下注の併用を開始した。投与 3 回目で症状は改善し始め,同薬導入期の 5 週連続投与を終了後に退院した。退院後は日常生活レベルの活動で 38 度の発熱,関節痛,全身倦怠感が再燃し,4 週間隔投与となるセクキヌマブの維持療法では症状コントロールが困難となったため,抗 IL-17 受容体 A(IL-17RA)抗体であるブロダルマブ 210 mg 皮下注に変更した。症状は速やかに改善したが,配送業の仕事を再開し症状が再燃したため,シクロスポリンを中止しエトレチナート 40 mg/day を追加した。エトレチナートを導入後,症状は軽快したが,仕事が忙しくなると全身倦怠感,関節痛が再燃するため,さらにアプレミラスト 60 mg/day を追加したところ症状は寛解した。現在は服薬漸減しブロダルマブ 210 mg 皮下注,アプレミラスト 30 mg/day,セレコックス 200 mg/day 内服で皮疹,全身倦怠感の再燃なく,関節痛も自制内で経過している。</p>

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 84 (1), 24-28, 2022-02-01

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (11)*注記

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