在宅における終末期高齢患者および介護者の心理的特徴と訪問看護の課題 ―患者とその介護者の自死事例を通して―

書誌事項

タイトル別名
  • Psychological characteristics of terminally ill elderly patients and their caregivers at home and issues in home nursing -Through the case of suicide of a patient and his caregiver -
  • ザイタク ニ オケル シュウマツキ コウレイ カンジャ オヨビ カイゴシャ ノ シンリテキ トクチョウ ト ホウモン カンゴ ノ カダイ : カンジャ ト ソノ カイゴシャ ノ ジシ ジレイ オ トオシテ

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抄録

本研究の目的は、終末期高齢患者と介護者の妻が在宅療養中に自死された事例における訪問看護を振り返り、高齢者の心理的特徴と看護の課題を明らかにすることである。家族エンパワーメントモデルを用いて、事例のアセスメントと看護実践について振り返りを行った。その結果、『妻は元看護師であり終末期の過程を受け入れている』とアセスメントにバイアスが生じたことで妻の情緒的変化を適切にアセスメントできていなかった。また、家族システム、家族内コミュニケーションへの介入が不十分であったことが明らかになった。高齢者は身近に死を感じていること、自分が生き続けることで他者の利益を脅かす存在として自分を位置づけるなど高齢者の心理的特徴を踏まえたアセスメントが重要であると考える。また、主介護者が高齢の配偶者である場合、主介護者以外の家族をもキーパーソンと位置づけ、役割の自覚を持てるように介入する必要性が示唆された。

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