被差別部落出身青年にとっての同和教育の今日的な意義 : 非大卒の被差別部落出身者からの聞き取り調査を通して

書誌事項

タイトル別名
  • The Present meaning of "DOWA Education" for the graduates from the Buraku : Through interviews with non-university graduates from the Buraku
  • ヒサベツ ブラク シュッシン セイネン ニ トッテノ ドウワ キョウイク ノ コンニチテキ ナ イギ ヒダイソツ ノ ヒサベツ ブラク シュッシンシャ カラノ キキトリ チョウサ オ トオシテ

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説明

本稿の研究フィールドとなる都市の同和教育は、学力向上を目標にとしたことが特徴的であった。筆者は、90年代後半にこの同和教育を受けた非大卒の被差別部落出身者にインタビューを行った。そこで、この都市が掲げた同和教育方針である学力至上主義が、部落出身青年にとって義務教育修了後の生活にどのような影響を与え、この同和教育を受けたことで何を内面化していったのだろうかを考えた。その中で、彼らは学力の獲得をできなかったために困難に直面することもあったが、同和教育を受容したこと、特に「センター」での「アイデンティティ教育」や「なかまづくり・集団づくり」が、成人後の生活の自立・確立において影響があったことが明らかになった。この都市の同和教育が点数化される学力を重視していたにも関わらず、全国での同和教育の思想的基盤となった「解放の学力」論が目指していたことと同質な部分を含む実践であることを明確にすることができた。

収録刊行物

  • 人権問題研究

    人権問題研究 19 31-52, 2022-03-28

    大阪市立大学人権問題研究センター

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