ウィズコロナの始まりと終わり
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- 浜田 明範
- 関西大学
書誌事項
- タイトル別名
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- The Beginning and End of With Corona
- Body, Government, and Velocity under Pandemic Japan
- パンデミックにおける身体、統治、速度
説明
<p>本論は、日本において感染症の流行を減速させるための方法として採用されたウィズコロナという発想の検討を通じて、2020年2月から2021年3月にかけての日本における新型コロナウイルス感染症の流行とそれへの対応の経験を記述していく。この作業を通じて、感染症の人類学の蓄積に基づいて日本におけるこのパンデミックの経験を理解するひとつの方向性を示すと同時に、この経験を通じて感染症の人類学をどのように更新しうるのかに関するいくつかの論点を提示することを目的とする。この際、本論では、分析の手がかりとして、画家の横尾忠則の手による連作WITH CORONAに注目し、そこからの学びを軸に据えるという手法を採用している。結論として、(1)パンデミックを理解するためにはアネマリー·モルの提唱する「誰」の政治から「何」の政治への移行が必要であること、(2)ミシェル·フーコーに端を発する環境という発想が記述の戦略として有効であること、(3)カール·ポランニーがその重要性を指摘していた社会を防衛するための減速をいかに実現させるのかが重要な課題として浮上していること、の3点が示される。</p>
収録刊行物
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- 文化人類学
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文化人類学 86 (3), 457-476, 2021-12-31
日本文化人類学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390010293001065472
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- ISSN
- 24240516
- 13490648
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- JaLC
- KAKEN
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可