2型糖尿病患者におけるMac-2結合蛋白糖鎖修飾異性体(M2BPGi)の測定意義

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  • Measurement significance of Mac-2 binding protein glycosylation isomer (M2BPGi) in patients with type 2 diabetes mellitus

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説明

<p>生活習慣病の増加に伴い,非アルコール性脂肪肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease; NAFLD),非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis; NASH)の患者は増加しており,肝細胞癌や肝硬変の主な原因となりつつある。NAFLD/NASHは肥満,インスリン抵抗性など2型糖尿病と共通リスク因子をもつため,2型糖尿病との合併率が高いとされる。今回,2型糖尿病患者を対象に,M2BPGiの測定データから肝線維化の状況ならびに,その影響因子について検討した。また,既存の肝線維化スコアリングシステムであるFIB-4 indexとの比較も行った。2型糖尿病患者全対象者のM2BPGi値は0.22~4.11 C.O.Iの範囲となり,中央値は0.815 C.O.Iであった。カットオフを1.0とした場合の陽性率は38.2%であった。M2BPGi値に対する影響因子を検証するため,M2BPGi値を目的変数とし,説明変数に生化学検査,血算,HbA1c,年齢,BMIを用い,重回帰分析を行った。結果,AST高値,高齢,アルブミン低値,トリグリセライド高値がM2BPGi高値の因子として有意であった。FIB-4 indexとの相関性は極端値除外処理後の169例で相関係数(r)を求めたころ,r = 0.449であった。M2BPGiとFIB-4 indexの判定一致率は53.5%(陽性53例,陰性38例)となり,不一致例はM2BPGi(−)でFIB-4 index(+)が66例,M2BPGi(+)でFIB-4 index(−)が12例であった。2型糖尿病患者については,FIB-4 index陰性例であってもM2BPGiを測定することで,肝線維化症例の見落としを防ぐことが期待される。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 71 (2), 301-306, 2022-04-25

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390010457708623616
  • DOI
    10.14932/jamt.21-64
  • ISSN
    21885346
    09158669
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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