肺移植後移植片慢性機能不全病変におけるCD26陽性細胞発現の病理的検討

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抄録

<p>(背景)肺移植後移植片慢性機能不全(CLAD)の新たな診断・治療戦略の確立は急務である。我々は基礎・臨床研究でCD26/DPP4阻害による肺移植術後拒絶抑制を示してきた。本研究はその機序を解明すべく、CLAD病変でのCD26発現を評価する。(方法)当施設の脳死・生体肺移植手術症例から術後生検、再移植手術、病理解剖等でグラフトの病理検体を収集し、CD26による免疫染色を含めた病理評価を行った。(結果)病理検体は15検体を収集した。検体採取法は病理解剖6例、再移植手術3例、生検4例、自己肺2例であり、病理診断はCLAD8例、急性拒絶2例、炎症性変化1例、移植肺2例、自己肺原疾患2例であった。CD26免疫染色では、CLAD例中7例でCLAD病変近傍の陽性細胞集塊を認めたのに対し(図)、非CLAD例では1例(移植肺)で陽性細胞を認めた。(結語)CLAD病変でCD26発現を認めた。CD26はCLAD発現への関与が示唆され、治療標的となりうると考えた。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 56 (Supplement), s450-s450, 2021

    一般社団法人 日本移植学会

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