当院における小児血液型不適合肝移植症例の術後肝生検の病理学的再評価

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抄録

<p>【背景】小児血液型不適合肝移植の予後は改善してきたが、抗体関連拒絶反応の病理学的診断基準(Banff 20161)が明記され、その管理法を再評価する必要がある。</p><p>【対象と方法】2006~2020年に当施設で実施した小児血液型不適合肝移植119例を後方視的に検討。肝生検標本を、新基準で再評価した。当院術前治療- 2006-2009年:2歳以上リツキシマブ(RTx)±血漿交換+門注療法。2010-2016年:門注療法省略。2017-2020年:術前療法適応1.5歳以上に変更。術前治療の年齢基準を基にyounger-age group(Group Y)(n=94)とolder-age group (Group O)(n=25)に分けた。</p><p>【結果】acute AMRはGroup Y 7例(7.4%)、Group O 7例(28.0%)認めた。Group Yの5/7例が1歳未満で、全例病理組織所見でmixed TCMR/AMRを認めた。Group O 7例のうち、緊急移植のためRTxが投与されなかった3症例は純粋なAMRで、一方、RTxは適切に投与されたが、AMRを認めた4例はmixed TCMR/AMRであった。Group Yは 多発性肝内胆管狭窄を発症した1例を除き、6例はステロイドパルス+IVI+MMFで治癒。Group Oは1例でステロイドパルス+IVIG、6例はさらに血漿交換を行い全例治癒した。Graft survivalはGrpup Y 89.3%, Group O 87.0%と良好であった。</p><p>【結語】病理学的再評価で、1歳未満でもAMRを認め、病理像はmixed TCMR/AMRが多かった。新たな管理法の検討が必要であると考えられた。</p><p>1. A.J.Demetris et al. AJT 2016; 16: 2816–2835</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 56 (Supplement), s549-s549, 2021

    一般社団法人 日本移植学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390010554993871104
  • DOI
    10.11386/jst.56.supplement_s549
  • ISSN
    21880034
    05787947
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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