病棟における肺移植看護を充実させる取り組み~多職種連携の効果~

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抄録

<p> 肺移植後の管理・患者指導は、拒絶反応の早期発見や感染症の予防、内服管理、精神的援助等、専門的な知識が必要であり介入が難しいと感じる場面が多い。当病棟は混合病棟のため肺移植以外の領域も担当しており、時間を要する肺移植後患者への指導は、移植コーディネーター(RTC)に委ねていた部分が多かった。しかし、患者と最も長い時間を過ごすのは病棟看護師であり、患者への指導者的役割、自己管理獲得のモデルになり得る看護師の意識、知識の向上は、患者指導の質を深めるために必要不可欠と考えている。</p><p>そこで、RTCと協同し「看護師用マニュアルと患者用オリエンテーションブックの作成」「多職種連携の体制づくり」に力を入れた。以前は、退院直前にRTCからオリエンテーションを行うのみであったが、看護師が早期から繰り返しオリエンテーションを行うことで、自己管理習得へ働きかけることができた。多職種連携に関しては、栄養指導、薬剤指導、多職種による患者ラウンドの導入に加え、移植待機患者やCLAD患者の呼吸困難等苦痛緩和を目的に、サポーティブケアチームの介入も積極的に導入した。</p><p> 以上の取り組みにより、看護師は多職種のスタッフと直接関わる時間が増え、相談が行いやすくなった。また、治療方針の明確化と多職種間での情報共有も可能となり、看護師は助言を受けながら主体的に患者指導に取り組むよう変化し、タイムリーに患者のニーズへ対応できるようになった。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 56 (Supplement), s101-s101, 2021

    一般社団法人 日本移植学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390010554996986752
  • DOI
    10.11386/jst.56.supplement_s101
  • ISSN
    21880034
    05787947
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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