抗ドナー抗体陽性腎移植の脱感作療法として高用量IVIG療法の治療経験

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Abstract

<p>【目的】高用量IVIG療法が抗ドナー抗体陽性腎移植患者の脱感作療法として2019年12月に保険収載され当院でも使用開始しており、その臨床的検討を目的とする。【患者】男2例、女2例の全4例で、年齢は平均48歳(28~70歳)、原疾患は腎硬化症1例、ADPKD1例、不明2例。ドナーは配偶者3例、父1例で、血液型不適合3例、適合1例であった。LCTは全例陰性、FCXM陽性(T,B共)が2例で他2例はflow-PRAのみ陽性。抗HLA抗体同定検査はclassIのみ陽性2例(MFI:13312, 603)、classIIのみ陽性1例(MFI:11436)、共に陽性1例(MFI:classI 1274, classII 706)であった。全例リツキシマブを使用し、TAC3例、CyA1例、血漿交換は2~9回施行した。IVIG(1g/kg)は3回2例、4回2例投与した。【結果】副作用は頭痛3例、消化器症状1例、肝機能障害1例認めた。また、抗血液型抗体価の上昇を1例認めた。FCXM陽性の2例でFCXM-T測定結果は25.3→3.0、2.2→2.1と陰性化はしなかったが(リツキシマブ投与にてFCXM-Bは判定困難)MFIは最大で13312→1795と低下した(IVIGの影響によりMFIが高めの可能性)。全例腎移植を施行した。結果は急性拒絶反応を認めず、CMV抗原血症1例、S-Cre:1.0mg/dl(0,75~1.45mg/dl)であった。【考察】全例で腎移植を行うことができ経過も良好であるが、抗ABO血液型抗体価が上昇した症例があり、また効果判定で難しい点がある事なども経験した。リアルワールドでの使用経験を報告する。</p>

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