臓器移植レシピエントの“声”が持つ力

DOI
  • 村上 穣
    JA長野厚生連佐久総合病院 腎臓内科

抄録

<p>【はじめに】演者は2011年2月に母親をドナーに先行的腎移植を受けた腎移植内科医である。医療者と患者の双方の立場から臓器移植レシピエントの“声”にどのような意義があるか考えたい。</p><p>【臓器移植レシピエントの声】さらなる長期生着を目指すうえで、定期的な服薬や生活習慣病の予防など臓器移植レシピエントが果たすべき役割は少なからずある。さらに、臓器移植レシピエントの声が以下の2つのギャップを埋めるのにも役立つ可能性がある。</p><p>【研究における意義】臨床研究のアウトカムに求める医療者と腎移植レシピエントの考えには大きなギャップがあることが報告されている。近年、Patient and public involvementという考え方のもと、医療者と患者のギャップを埋めるために患者の声が反映された臨床研究が実施されつつある。</p><p>【啓発における意義】様々な取り組みにもかかわらず、依然として死後の臓器提供数と移植待機患者数には大きなギャップがある。医療者だけでなく臓器移植レシピエントも移植の啓発や教育活動に携わることで、参加者やその家族による臓器提供の意思表示が有意に増加したことが報告されている。</p><p>【まとめ】さらなる移植医療の発展と啓発のためには、臓器移植レシピエントも声を上げ、医療者と二人三脚で取り組むことが重要ではないかと考える。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 56 (Supplement), s434-s434, 2021

    一般社団法人 日本移植学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390010555000130176
  • DOI
    10.11386/jst.56.supplement_s434
  • ISSN
    21880034
    05787947
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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