部活が中学生を不登校へと追い詰めるプロセスに関する事例研究
書誌事項
- タイトル別名
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- A Case Study on the Process by which Extracurricular Activities (Bukatsu) Pushed a Junior High School Student to the Emotional Edge
説明
部活は日本独自の課外活動の仕組みであり独自の慣習も多い。本研究では,野球部員でもある一人の中学生が,部活顧問の指導をはじめとする部活での出来事を原因として不登校になるに至り,高校の途中でようやく登校できるようになったプロセスを記述する。不登校に至るプロセスでは,部活顧問の体罰や罵倒による指導,先輩部員の自死,双子の兄との比較などがあった。この中学生は,一時は起立性調節障害の診断を受けるほどまでに心身が不調になったが,学校外の空手教室の指導者から力の抜き方を学んだりすることにより,積極的に空手教室に通うようになり,心身の状態も少しずつ回復し,高校進学後1 年以上を経て通常通りに通学できるまでになった。学校教師でもある部活顧問のことばを聞き流さずに受け止める子どもがつらい思いをし,ついには学校に通えなくなるほどまで追い詰められることの問題と矛盾を指摘した。また,不登校の外部要因の一つとして教師の指導があることを確認する意義を論じた。
収録刊行物
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- 質的心理学研究
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質的心理学研究 20 (Special), S196-S202, 2021
日本質的心理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390010566073063680
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- ISSN
- 24357065
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可