特定健診の質問票における咀嚼状態と口腔の健康状態との横断的な関連

  • 岩井 浩明
    朝日大学歯学部口腔感染医療学講座社会口腔保健学分野
  • 東 哲司
    朝日大学歯学部口腔感染医療学講座社会口腔保健学分野
  • 米永 崇利
    朝日大学歯学部口腔感染医療学講座社会口腔保健学分野
  • 友藤 孝明
    朝日大学歯学部口腔感染医療学講座社会口腔保健学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Association between Chewing Status in Questionnaire for Specific Health Checkup and Oral Health: A Cross-sectional Study
  • トクテイケンシン ノ シツモンヒョウ ニ オケル ソシャク ジョウタイ ト コウコウ ノ ケンコウ ジョウタイ ト ノ オウダンテキ ナ カンレン

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抄録

<p> 特定健診は,メタボリックシンドロームに着目した健診であり,2018年度より特定健診の質問票に,咀嚼状態に関する項目が追加された.しかし,特定健診では歯科医師による口腔内診査はないため,咀嚼良好と回答することが,口腔内のどのような健康状態を反映しているのかは不明である.そこで,本研究では,人間ドック受診者に対して,特定健診の質問票における咀嚼状態と歯科検診における口腔内の健康状態との関連を検討することを目的とした.朝日大学病院で特定健診と歯科検診の両方を受診した763名を対象とした.咀嚼状態に関する質問項目で「何でもかんで食べることができる」と回答した者を咀嚼良好と定義した.咀嚼良好の有無を従属変数,そして年齢,性別,喫煙習慣の有無,歯科治療中の有無,現在歯数(24本以上の保有の有無),4 mm 以上の歯周ポケットの有無,未処置歯(D歯)の有無,および喪失歯(M歯)の有無を独立因子としたロジスティック回帰分析を行った.その結果,咀嚼良好であることは,歯科治療中の有無(あり,odds ratio [OR]=0.470,95% confidence interval [CI]=0.281–0.787),現在歯数(24本以上,OR=3.784,95% Cl=1.529–9.326),4 mm 以上の歯周ポケットの有無(あり,OR=0.566,95% Cl=0.348–0.920),D歯の有無(あり,OR=0.571,95% Cl=0.343–0.950),およびM歯の有無(あり,OR=0.485,95% Cl=0.319–0.736)との間に,それぞれ有意な関連を認めた.これらの結果は,特定健診の質問票における咀嚼状態は,歯科治療中であること,現在歯数,歯周状態,未処置歯の有無,および喪失歯の有無と関連することを示唆している.</p>

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