腹腔鏡下に治療した急性腹症を呈する小腸間膜リンパ管腫の1例

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タイトル別名
  • A Case of Small Bowel Mesenteric Lymphangioma with Acute Abdomen Treated by Laparoscopic Surgery
  • フククウキョウ カ ニ チリョウ シタ キュウセイ フクショウ オ テイスル ショウチョウ カンマク リンパカン シュ ノ 1レイ

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抄録

<p>小腸間膜リンパ管腫は比較的まれな疾患であり,急性腹症を呈することもあり注意が必要である。症例は10歳,男性。右下腹部痛を主訴に受診した。右下腹部に圧痛と反跳痛を認めた。血液検査では白血球12,000/μL,CRP 0.04mg/dLと軽度の炎症反応上昇を認めた。造影CTで虫垂の軽度腫大と,上腸間膜動静脈末梢でwhirling signを認めた。骨盤内に造影効果に乏しい囊胞性病変を認め,虫垂炎による膿瘍形成や小腸捻転を疑った。急性腹症として緊急手術を行った。腹腔鏡で観察すると,Treitz靭帯から約70cm肛門側の腸間膜に小腸に接する多房性囊胞病変を認めた。その囊胞性病変も含め小腸部分切除を施行した。虫垂炎の合併も否定できず虫垂切除も施行した。病理検査で虫垂は炎症細胞浸潤のみで,囊胞性病変は腸間膜リンパ管腫の診断であった。術後6日目に軽快退院し,現在まで2年間再発を認めていない。急性腹症を呈した小腸間膜リンパ管腫に対して,診断的治療を含めた腹腔鏡下手術が有効であった。</p>

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