飛行時間型ICP-MSによる微粒子の個別分析法の開発

  • 栗原 かのこ
    東京大学大学院理学系研究科地殻化学実験施設
  • 堀越 洸
    東京大学大学院理学系研究科地殻化学実験施設
  • 中里 雅樹
    東京大学大学院理学系研究科地殻化学実験施設
  • 高橋 宏明
    原子力規制庁長官官房技術基盤グループ
  • 平田 岳史
    東京大学大学院理学系研究科地殻化学実験施設

書誌事項

タイトル別名
  • Chemical Analysis of Individual Fine Particles Using a Time-of-Flight Based ICP-MS

抄録

<p>広範な質量範囲を測定可能な飛行時間型質量分析計を備えたICP-MS装置(ICP-TOF-MS)を用いて,水中に分散させた微粒子個別の化学組成分析及びサイズ分析を行った.分析試料としては,標準岩石JG-1の元岩を用い,液中レーザーアブレーション法(LAL法)を用いて微粒子化処理を行った.得られた微粒子懸濁液をICP-TOF-MSに導入し,微粒子個別の化学組成とサイズを計測した.濃度校正にはガラス標準物質(GSC-2G)を用い,データ処理には本研究で開発した独自のソフト(NP Shooter)を用いた.標準岩石試料から生成した微粒子の個別化学組成をSi-Al-(Fe+Mg)を頂点とする三角図・三角柱図にプロットしたところ,構成鉱物(石英,長石,黒雲母)を反映した化学組成をもつ微粒子が生成されていることが示唆された.本法は,環境中微粒子や半導体材料等の汚染微粒子,さらには隕石(いんせき)に含まれる微粒子の起源・元素合成過程の解明に新しい知見を提供する分析手法といえる.</p>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 71 (4.5), 277-282, 2022-04-05

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (12)*注記

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