2.マウス卵胞形成研究とその利用

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  • 佐藤 友美
    横浜市立大学大学院 生命ナノシステム科学研究科

抄録

哺乳類の卵巣はステロイドホルモン産生と配偶子形成の2つの役割を持ち、いずれも卵母細胞を中心に顆粒膜細胞が取り囲む卵胞構造を必要とする。卵胞は、いったん形成されると同じ形態を維持したまま成長し、脳下垂体からの黄体形成ホルモン刺激により排卵する。また、通常は1つの卵胞内には1つの卵母細胞が含まれているが、2つ以上の卵母細胞を含む多卵性卵胞が発生することがある(図1)。近年、卵胞形成時のさまざまな障害により多卵性卵胞が多発することが分かってきており、多卵性卵胞の発生メカニズムの解析により、卵胞がどのように形成され、またどのような因子が必要であるか、正常な卵胞形成過程も明らかにできると考えられる。我々は、出生直後のマウスに合成エストロジェンであるdiethylstilbestrol(DES)を投与すると多卵性卵胞が多発することに着目し、その発生メカニズムを解析している。本稿では、多卵性卵胞発生メカニズムに関するこれまでの知見と、卵胞形成研究の発展性について紹介する。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390010842621230592
  • DOI
    10.50971/tanigaku.2020.22_6
  • ISSN
    24365114
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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